「貯金しているけれど、インフレが続いて資産価値が下がりそうで不安…」「新NISAが気になるけれど、株と投資信託のどちらを選べばいいのか分からない…」そんな疑問を感じている方は、決して少なくありません。
この記事では、株式投資と投資信託の基本的な仕組みと違い、新NISAの活用方法、そして初心者が実践しやすい資産運用の手順を、データをもとにわかりやすく整理します。投資にはリスクが伴いますが、仕組みを正しく理解した上で一歩を踏み出す参考にしていただければと思います。
金融庁の公表資料(2025年12月末時点)によれば、NISA口座数は国内で約2,826万口座に達し、年間の買付額は約18.8兆円を記録しています。※1 超低金利が続く環境のなかで、「貯蓄だけ」では物価上昇に対応しにくいという現実を意識し始めた方が増えていることが、数字からも読み取れます。
※1 出典:金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(2025年12月末時点)」
① 株式投資と投資信託の基本を整理する
資産運用を始める前に、「株式投資」と「投資信託」それぞれの仕組みと特徴を正確に把握しておくことが大切です。どちらが「良い・悪い」ではなく、自分の目的やライフスタイルに合った選択をするための知識として整理しましょう。
株式投資とは
株式投資とは、企業が事業資金を調達するために発行する「株式」を購入することです。株式を保有した人を「株主」といい、その企業の一部の所有権を持つことになります。利益を得る主な方法は以下の3つです。
📈 株式投資で利益を得る3つの方法
- 値上がり益(キャピタルゲイン):購入時より株価が上昇したタイミングで売却すると、その差額が利益になります。
- 配当金(インカムゲイン):企業が獲得した利益の一部を株主に現金で分配する仕組みです。配当の有無・金額は企業によって異なります。
- 株主優待:自社製品やサービス券などを提供する日本独自の制度です(実施の有無・内容は企業により異なります)。
日本株は原則として「100株単位」での取引となるため(単元株制度)、銘柄によっては数万円から数十万円程度の初期資金が必要です。※2 ただし、証券会社によっては「単元未満株(ミニ株)」として1株単位から購入できるサービスも提供されています。
※2 出典:日本取引所グループ「株式の売買単位について」
投資信託とは
投資信託(ファンド)は、多数の投資家から資金を集め、その資金をまとめて株式・債券・不動産投資信託(REIT)などに分散投資する金融商品です。実際の運用はファンドの運用会社が担います。
📋 投資信託の主な特徴
- 少額から始められる:主要なネット証券では100円から積立購入が可能です。
- 自動的に分散投資できる:1本の投資信託で数十〜数百の銘柄に分散される商品もあり、特定銘柄への集中リスクを軽減しやすくなります。
- 積立設定が可能:毎月一定額を自動で購入する「積立投資」の設定ができ、忙しい方でも継続しやすい仕組みです。
なお、インデックス型(特定の株価指数に連動することを目指す商品)は、アクティブ型(運用者の判断で銘柄を選ぶ商品)に比べて信託報酬(保有中に発生する管理費用)が低い傾向にあります。新NISAのつみたて投資枠では、金融庁が設定した基準を満たした商品のみが対象となっており、コストの透明性が一定程度担保されています。
図:株式投資と投資信託の仕組みの違いイメージ
② データで見る投資トレンドと比較表
金融庁や日本証券業協会の公表データをもとに、最新の投資動向と両商品の特徴の違いを整理します。数字を見ることで、現在の投資環境をより具体的に把握することができます。
新NISAに関する主な統計(2025年12月末時点)
- NISA口座数:約2,826万口座(前年比増加)※1
- 年間買付額:約18.8兆円※1
- 新NISA利用者のうち金融資産500万円未満の層が全体の約33.4%を占める※3
- つみたて投資枠での買付比率が高く、インデックス型投資信託への資金流入が顕著※1
- 20代〜40代の現役世代の口座開設が増加傾向※3
「投資はお金持ちのもの」というイメージが変わりつつあり、少額から始める投資家が増えていることが数字からも確認できます。ただし、投資人口の増加は「投資が安全になった」ことを意味するわけではありません。リスクの理解は依然として重要です。
※1 出典:金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(2025年12月末時点)」
※3 出典:日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査(2025年)」
株式投資 vs 投資信託 主要比較
| 比較項目 | 株式投資 | 投資信託(インデックス型) |
|---|---|---|
| 最低投資額の目安 | 数百円〜数十万円程度 (銘柄・単元数・証券会社による) |
100円〜 (ネット証券の積立の場合) |
| 分散効果 | 自分で複数銘柄を選ぶ必要あり | 1本で多数の銘柄に自動分散 |
| 運用の手間 | 銘柄選定・売買タイミングを自分で判断 | 積立設定後は自動運用が可能 |
| 主なコスト | 売買手数料 (証券会社により無料化が進んでいる) |
信託報酬(年率) インデックス型は概ね低コスト傾向 |
| 新NISA対象 | 成長投資枠で対象(国内・外国株) | つみたて投資枠・成長投資枠の両方で対象 |
| 知識・経験の必要性 | 企業分析・市場動向の理解が求められる | 比較的始めやすいが商品選びの基礎知識は必要 |
| 元本保証 | なし(元本割れのリスクあり) | なし(元本割れのリスクあり) |
どちらが優れているかではなく、自分の知識量・資金・時間・リスク許容度に合った選択が重要です。特に投資初心者の場合、少額から始められて分散効果の高いインデックス型投資信託の積立を、新NISAのつみたて投資枠で活用するケースが多く見られます。
図:新NISA口座数・買付額の推移グラフイメージ
③ 新NISAで資産運用を始める実践手順
ここでは、新NISAを活用して資産運用を始めるための基本的な手順を、初心者の方でも理解しやすいよう順を追って整理します。手順を知っておくことで、口座開設後に迷わず進められます。
STEP 1|証券口座(NISA口座)を開設する
まず、証券会社に一般口座または特定口座を開設し、あわせてNISA口座を申請します。NISA口座は1人1口座のみ開設でき、金融機関を選ぶことができます。手続きはオンラインで完結する証券会社が多く、本人確認書類(マイナンバーカード等)があれば比較的スムーズに進められます。
口座選びのポイントとしては、取り扱い商品の種類・売買コスト・積立サービスの使いやすさなどを比較することをおすすめします。複数の証券会社の公式サイトで最新情報を確認してください。
STEP 2|新NISAの「枠」を理解する
新NISA(2024年〜)には、大きく2つの投資枠があります。それぞれの年間投資上限と対象商品が異なります。
📌 新NISAの2つの投資枠(2026年時点)
- つみたて投資枠:年間120万円まで。金融庁の基準を満たした一定の投資信託が対象。積立・分散投資に適した長期運用向けの枠。
- 成長投資枠:年間240万円まで。国内外の株式・ETF・投資信託(一部除外商品あり)が対象。両枠の合計非課税保有限度額は1,800万円(成長投資枠は最大1,200万円)。
両枠を同一年内に併用することができます。制度の詳細は金融庁の公式サイトで最新情報をご確認ください。※4
※4 出典:金融庁「NISAを知る」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/)
STEP 3|投資する商品を選ぶ
投資信託を選ぶ際は、主に以下の点を確認することが参考になります。特定の商品を推奨するものではありませんが、商品選びの基本的な視点として押さえておきましょう。
- 連動する指数(インデックス)の種類:国内株式・先進国株式・全世界株式など、投資対象の地域・資産クラスを確認する。
- 信託報酬(年率コスト):同種のファンドと比較して合理的なコスト水準かを確認する。
- 純資産総額・運用期間:運用規模が一定以上あり、長く運用されているかを参考にする。
- 分配金の方針:長期の資産形成を目的とする場合、分配金を再投資する「再投資型(分配なし)」が選ばれることが多い。
なお、過去の運用実績は将来の成果を保証するものではありません。商品ごとの目論見書(交付目論見書)を必ず確認してください。
STEP 4|積立設定を行い、定期的に状況を確認する
毎月一定額を自動購入する
📋 この記事について
最終更新日:2026年6月18日
本記事は、金融庁・日本取引所グループ等の公的機関が公表する情報をもとに、編集部が調査・作成しています。掲載内容は更新日時点のものであり、最新情報は各金融機関の公式サイトをご確認ください。
⚠️ 免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資には元本割れ等のリスクがあります。投資判断はご自身の責任で行ってください。



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